中村洋子
「『遊歴雑記』と『江戸近郊道しるべ』に描かれた金石文生地の特異性」



『遊歴雑記』も『江戸近郊道しるべ』も、
ともに文化・文政期を中心に記された地誌である。

前者で扱われている金石文は、全体の23%ほどであるのに対し、
後者は12%程度しか扱われて織らず、両者の性格の違いが明らかである。

しかし、この時期は馬琴作品にも見られるように、
江戸近郊への関心が高まった時期といえ、
この2点の地誌にもその影響が如実に表れているといえよう。



遊歴雑記初編 (1) (東洋文庫 (499))

遊歴雑記初編 (1) (東洋文庫 (499))

遊歴雑記初編〈2〉 (東洋文庫)

遊歴雑記初編〈2〉 (東洋文庫)