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江戸で活躍していた「十八大通」の中には、俳号をもつ俳人も多い。そして、俳号を譲渡していた記録もあり、「暁雨」を名乗っていた大口屋治はこれを伊勢屋宗四郎に譲り、その後は「暁翁」を名乗っている。
また、彼ら十八大通のひとり、「金翠」こと大口屋八兵衛の句碑が、梅若境内(未確認)と浅草寺に建立されるなど、活動は活発であった。
一方、おもしろい逸話も多く残されており、「百亀」こと伊勢屋喜太郎のなくした杖が、いつのまにか西行庵竹の杖として見物料をとって公開されていた、など、枚挙にいとまがない。そんな彼らの句は、『俳諧三部集』(古典文庫)に収載されている。
なお、札差で文人であった夏目成美(井筒屋八郎右衛門)も、小林一茶の経済的庇護者として知られている。こうした札差らの文化活動を分析することにより、江戸文化のあり方が明確になるのである。
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